偽サイドバックとは
バイエルンでペップが開発し、シティに持ち込んだ偽サイドバック。今のシティの戦術を語るには欠かせないこのシステムを解説!
青が味方、黄色が敵、サイドバックは分かりやすいよう赤で示してます
これが従来のサイドバックの配置。(4バック)
この配置だとサイドバックがオーバーラップしたときに黒い部分にスペースができてしまい、サイドでボールを失ったときやクロスが相手に渡ってしまった場合にカウンターでそのスペースを使われてしまう・・
これがペップが開発した偽サイドバックの配置。サイドバックが中にポジショニングすることで先ほど説明したようなスペースを埋めている。さらにこの場所でボールを受けようとすると相手のサイドハーフがプレッシャーにこないといけないのでサイドハーフにカウンターに有利なポジショニングを取れなくもしてる。これが簡単な説明。
ウォーカーがゴールライン際まで突破してクロス上げるのを時々見るけどあのときウォーカーはペナルティエリアのちょい外付近からスピードアップして一人で仕掛けてる。エゲツない突破力。
すごい!すごいぞペップ!こんな画期的なシステムを開発してしまったら他のチームも真似するんじゃね?ってなるけどなかなかこのシステムは真似できない。
理由は偽サイドバックをする上での決まりごとがいま説明したようにここまで単純ではないという事も1つだけど(筆者も完璧に理解してるわけではない笑)大きな理由としてはこのシステムにはめちゃくちゃ高い個人能力が必要だから。
まずサイドバックは普通のサイドバックのようにタッチライン際でプレーするわけでないので180度以上の視野の広さが求められる。右サイドバックはウォーカーでほとんど固定だけど左サイドバックはメンディーが怪我してるいま、デルフやジンチェンコといった本来中盤でプレーする選手が左サイドバックを務めてる。彼らはよくボランチのポジションでボールを受けるのを見るけどこれも偽サイドバックの一環で左サイドバックがセンターサークル付近でボールを受けようとすることで相手のサイドハーフを引きつけ、空いたスペースに味方のサイドハーフが落ちてくることでパスコースを作ってるってわけ。
これができるサイドバックはなかなかおらず、選手の個の力や監督の教育力が求められるので偽サイドバックをやるのはムズカシイ。
さらにサイドハーフはサイドバックの外からのオーバーラップが望めない分、サイドでボールをもらったとき1対1もしくはインサイドハーフのフォローを受けて局面を打開しなくてはいけなくなる。
その例がザネとDシルバの関係でシティの試合でシルバがペナルティエリアのライン上でザネとワンツーしてザネが抜け出し、ゴールラインぎりぎりでクロスを上げるシーンがよく見られた。筆者はこの2人のコンビが特に大好き。
さらにさっき説明した左サイドバックがセンターサークル付近でボールを受けようとしてサイドハーフを釣り出すことでサイドにスペースを作るってやつだけどそのスペースでサイドハーフがボールを受けてもそこで局面を打開できる個の能力がないとボールは前に運べない。
そんな訳でこの戦術はまず個の能力が前提とされてる訳でペップの指導力あってのものだがオイルマネーがあるシティだからでぎる戦術。
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